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2016 年度 実績報告書

繰り返しによらずに時空間を同時分解する軟X線イメージングスペクトロスコピーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K13631
研究機関大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

雨宮 健太  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (80313196)

研究分担者 酒巻 真粧子  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教 (90598880)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード表面化学反応 / 時空間同時分解 / 軟X線吸収分光
研究実績の概要

軟X線イメージングスペクトルスコピー法の実証実験として,大気中であらかじめレーザーを照射することで,場所によって異なる化学状態になっていることが予想されるPt/Co/Pt薄膜を用いた測定を行った。300μm程度の視野の中に780 eV付近(CoのL吸収端に対応する)で10 eV程度のエネルギー幅を有する波長分散した軟X線を照射し,薄膜上のそれぞれの位置における軟X線の吸収量に比例して放出される電子を,光電子顕微鏡を用いて位置分解して一度に取り込んだ。これによって,軟X線吸収スペクトルを分光器を掃引することなく測定することができる。
得られたデータを,レーザースポットの内側と外側,それぞれについて足し合わせ,軟X線のエネルギー(軟X線が鉛直方向に波長分散しているので,試料上の上下方向の位置に対応)に対してプロットすることによって,レーザースポットの内外それぞれに対する軟X線吸収スペクトルを得た。得られたスペクトルは,レーザースポットの外側では典型的なCo金属の特徴を示したのに対し,内側では高エネルギー側に特徴的なサテライト構造が見られ,レーザーによるCoの酸化を強く示唆している。このようなレーザースポットの内外での軟X線スペクトルの違いは,通常の単色光と光電子顕微鏡を用いた位置分解吸収スペクトル測定でも確認され,今回開発した軟X線イメージングスペクトロスコピー法の原理を実証することができた。
さらに,この手法を化学反応の時空間同時分析に応用するために,100μm程度のドメイン構造を有することが知られているPdRh合金に対して,PdおよびRhの吸収端近傍で位置分解した軟X線吸収スペクトルの測定を行った。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Demonstration of one-shot spatially-resolved X-ray absorption spectroscopy using wavelength-dispersed soft X rays2017

    • 著者名/発表者名
      Kenta Amemiya and Masako Sakamaki
    • 雑誌名

      Chmistry Letters

      巻: 46 ページ: 71-73

    • DOI

      10.1246/cl.160886

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Origin of perpendicular magnetic anisotropy induced by Ga+ ion irradiation on Pt/Co/Pt films2017

    • 著者名/発表者名
      M. Sakamaki, K.Amemiya, I.Sveklo, P.Mazalski, M.O.Liedke, J.Fassbender, Z.Kurant, A.Wawro, and A.Maziewski
    • 学会等名
      The 5th Annual Conference of AnalytiX-2017
    • 発表場所
      ヒルトン福岡シーホーク(福岡県福岡市)
    • 年月日
      2017-03-22 – 2017-03-24
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 軟X線波長分散型時分割イメージング分光の試み2017

    • 著者名/発表者名
      雨宮健太,酒巻真粧子
    • 学会等名
      第30回日本放射光学会年会・放射光科学合同シンポジウム
    • 発表場所
      神戸芸術センター(兵庫県神戸市)
    • 年月日
      2017-01-07 – 2017-01-09

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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