研究課題/領域番号 |
15K13646
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
古田 弘幸 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40244157)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 有機化学 / 光物性 / BODIPY / 多量体 / 環状 / 発光 |
研究実績の概要 |
BODIPY環化3,4量体の合成と光学特性評価 混乱型(NC)モノアシルジピロメタンを還元しカルビノールとした後、酸触媒による自己縮合環化、引き続いての酸化により、前駆体カリックスフィリンを合成した。その後、ホウ素錯化を行い、環化3、4量体(NC-BODIPY-3mer, NC-BODIPY-4mer)へと導いた。GPCカラムを用いて分離精製を行い、各種スペクトル測定及び単結晶X線構造解析により、構造決定を行った。発光寿命測定の結果、環状化により、蛍光寿命がモノマー(4 ns)と比較し、大幅に延びること(3mer: 14 ns, 4mer: 27 ns)及びStokesシフトが大きくなることが明らかとなり、発光色素の環化多量化が発励起状態のコントロールに有効な手法となりうることを例示することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
難関であった化合物の合成、構造決定に成功したことで、物性測定を計画通り行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
理論計算を用いて方法論(環状多量化)の一般化を試みると同時に、アザBODIPYを用いて同様な現象が観測されるかについて、今後検討を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初3月までの雇用計画であった博士研究員の雇用を2ヶ月延長したため
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次年度使用額の使用計画 |
博士研究員の雇用経費分(4、5月)
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