本研究では、近赤外色素レーザーや生体イメージング分野の発展に資する、高効率発光近赤外色素分子創製のための新たな分子設計指針として、「環状多量化法」を提案し、その有効性の検証を行った。 オリゴピロール化合物を混乱型結合を用いて環状に連結した、BODIPY色素を基体とする、箱型環状多量体を合成し、吸収、発光スペクトル、蛍光寿命測定を行い、量子収率0.42、発光寿命27ns、3000cm-1以上もの大きなストークスシフトを持つ化合物の合成に成功した。 また、溶液、薄膜中において、この環状4量体化合物がレーザー発振することが確認され、提案する「環状多量化法」の有効性が示された。
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