Si-H結合は反応性が高いため、ケイ素化合物の変換反応において重要である。このSi-H結合を生成するために、従来はSi-Cl結合をLiAlH4などの強い還元剤を用いているが、LiAlH4は還元力が強すぎるため目的部位以外も還元してしまう。 本研究ではよりマイルドな還元剤であるNaBH4を用いてSi-Cl結合をSi-H結合に変換する反応を検討し、アセトニトリルあるいはTHFを反応溶媒として用いると目的のSi-Cl部位のみが還元されることを見出した。特にアセトニトリルを用いた場合には、室温で15分間反応させるだけで反応が完結することが分かった。
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