申請者が開発してきた [3]ロタキサン型蛍光色素の、構造解析、光物性評価、およびバイオイメージングツールとしての可能性の検討を行った。 二分子のシクロデキストリンに包接された [3]ロタキサン型アルキニルピレンの単結晶を調製し、X 線結晶構造解析によりその包摂様式を観測した。各種溶媒中、および薄膜状態における蛍光発光特性を調査し、異なる環境下でも発光特性が変化しないことを見出した。 本分子によりタンパクを蛍光標識した後、タンパクの溶液に連続的に励起光を照射し、紫外可視吸収スペクトルの変化を観測した。その結果、本分子が持つ極めて高い光安定性は、タンパクと共有結合した状態でも健在である事が見出された。
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