日本酒などの飲料で、DMTSなどの硫黄化合物が悪臭の原因となることが知られている。従来技術として、活性炭を吸着剤に用いる手法が使われているが、活性炭は空孔内が低極性で、低極性物質を中心になんでも吸着してしまう。日本酒では、吟醸香の主成分であるヘキサン酸エチルなどのエステル類が活性炭により吸着除去されてしまい、商品価値が低下する。我々は、金、銀、白金などの貴金属をシリカなどの酸化物担体に担持した吸着剤が、硫黄化合物の選択的除去に有効であることを見出した。日本酒では、吟醸香を損なわずに選択的に老香(ひねか)と言われる劣化臭を取り除くことができた。
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