爆発性を有するジアゾ化合物を原料として用いること無く、安全性の高い手法で遷移金属カルベン種を発生させる手法の開拓に取組んだ。メチレン炭素からの酸化的な直接発生について種々検討したが、望む結果を得ることはできなかった。一方、ヨードニウムイリドを原料として用いた場合には、モデル反応であるシクロプロパン化が効率よく進行した。そこで、立体制御を実現するための新しい触媒の探索を実施し、結果としてキラルルテニウム2核触媒が最適であるということを見いだした。シクロプロパン体が最高97%のエナンチオ選択性で得られた。
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