本研究においては、面性不斉を有するパラシクロファン誘導体の簡便な合成経路を開拓するとともに、合成した面不斉シクロファン単をスペーサーを介して連結し、そのビアリール結合の回転に由来する分子の動的挙動と光学的異方性について詳細に研究を行った。まず、シクロファン誘導体の合成については、これまで煩雑であった架橋鎖の合成を簡便に行える新たな手法を見出すことができた。そしてシクロファンとスペーサーの結合、およびオリゴマー化についでも合成効率をボリル基のオルトゴナルな活性化に基づく合成方法により大幅に向上させるに成功した。そして、合成したオリゴマーが特異な光学的異方性を有していることを明らかにした。
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