金属担持触媒であるロジウム-炭素と光学活性ルテニウム錯体を触媒として同時に使用することによって、サリチル酸類が高立体選択的に水素化されることを見出した。例えば、サリチル酸メチルを基質とした場合、トランス/シス比 91/9、鏡像異性体過剰率91% eeで2-ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸エチルが得られた。ここで得られた光学活性置換シクロヘキサンはWeinrebアミドと有機金属反応剤を利用したケトンへの変換、Pd/C触媒とルイス酸を使った水素化によるカルボニルからメチレンへの還元、アルキル化を経て幼若ホルモン活性をもつ化合物に変換できる。
|