炭素-炭素結合の触媒的な切断反応は高歪み化合物ではみられるが、歪みのない直鎖アルカンや環状アルカンの例は少ない。本研究で触媒系を検討した結果、イリジウム触媒を用いた水素共存系の加熱反応(250-270°C)において直鎖アルカンの炭素-炭素結合の切断が良好に進行した。ノナデカンの場合にはメタンへの変換が定量的に進行した。経時変化を調べたところ、末端から順に切断されメタンを生成させることが明らかとなった。環状アルカンであるシクロドデカンの場合には環の水素化開裂を伴い、直鎖アルカンを経てメタンへの変換が進行した。回収触媒の再利用実験では4回の使用においても触媒活性の低下は認められなかった。
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