高分子反応を100%の効率・収率で速やかに達成することは、通常極めて困難である。なぜならば、高分子鎖中の反応中心では高分子であるがゆえに大きな立体障害を受け、溶解性が低いことによる基質濃度の低下、粘性の高い溶液では触媒や反応剤の拡散速度の低下、糸鞠状構造の形成による反応点が被覆されるなどといったいわゆる高分子効果のためである。本研究ではマクロサイクル触媒を用い、その内孔を高分子鎖が貫通しながら主鎖の変換反応が進行することで、高分子効果を克服可能であり、高分子鎖上の変換反応の高効率化が達成されることを明らかにした。
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