研究課題/領域番号 |
15K13707
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
澤本 光男 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90150325)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 高分子合成 / 高分子構造・物性 / ナノ材料 / 生体材料 / 自己組織化 / 配列 / 水素結合 / 鋳型 |
研究実績の概要 |
ポリビニルアルコール(PVA)やその共重合体は水酸基側鎖特有の性質(親水性,水素結合性)を反映した機能を発現する重要な機能性ポリマーである。本研究では,ビニルアルコールユニットに対して立体規則性,配列,主鎖形態を制御する手法の開発と,これら構造因子が得られたビニルアルコール系ポリマーの水素結合性に与える影響を調べる。さらに,結晶性・溶液特性・自己組織化挙動を調べ,そこからヒドロゲル特性,ガスバリア特性,接着性などの特性を評価し,機能性材料の創出を目指す。 平成27年度は,高制御性リビングカチオン重合系を用い,非分解性かつ疎水性のビニルエーテルとPVAユニットに変換できるtert-ブチルビニルエーテルを組み合わせたプログラムカチオン重合を行い,ビニルアルコールユニットの位置や配列が制御されたポリマーを合成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
カチオン重合をベースにビニルアルコールユニットの位置を制御する研究は順調に推移している。一方,ビニルアセテートを含む鋳型モノマーによって交互配列を制御する研究では,モノマー設計を考えなおす必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
ビニルアルコールユニットに変換可能なビニルエーテル(tert-ブチルビニルエーテル,ベンジルビニルエーテル)のカチオン重合に対し,対アニオンの設計により,立体規則性制御を実現し,アイソタクチックポリビニルアルコールの合成を目指す。 また,これまでに引き続き,ビニルアルコールユニットを含む配列制御を目指す。疎水性かつ結晶性ポリマーを与えるモノマーのリビングカチオン重合をベースに,ビニルアルコールの位置がある程度制御されたポリマーを合成し,高ガスバリア材料の開発を目指す。特に,ガスバリア性機能には結晶性が必要であると考えており,結晶性セグメントとPVAセグメントの組み合わせを検討する。
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