研究課題/領域番号 |
15K13709
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
中嶋 琢也 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 准教授 (70379543)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 合成化学 / 構造 / 超分子化学 / 光物性 |
研究実績の概要 |
フォルダマー、らせんポリマーをはじめペプチドを模倣した2次構造を示すポリマーの開発が進んでいる。タンパク質の機能発現の本質は2次構造間の相互作用にあり、これを外部刺激により制御することが可能となれば天然系を凌駕する高機能ポリマーの創成に貢献できる。本研究では、2次構造間を接続する刺激応答性連結ユニットの合成と主鎖骨格への導入による刺激応答性ポリマーの創成を目的とした。今年度は、分子のフォールディング状態の制御により、分子内のππスタッキングを光刺激により制御した分子システムの開発を行った。具体的には、ピレン発光団のキラルスタッキングの可逆的制御と、円偏光発光の可逆的オンーオフスイッチングに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
分子システムとして、スイッチング機能と構造制御を両立する分子骨格の開発が行え、分子内相互作用の外部刺激による制御の一例として、発色団間のキラルスタッキング制御をうまく実証する事ができている。
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今後の研究の推進方策 |
スイッチングユニットの両端に、高分子骨格へ接続可能な官能基の導入は実現している。今後はポリウレタンなどのエラストマー中への骨格導入を目指して、合成を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、計画よりも物品費が抑えられた。特に、薬品費について、一昨年度までの研究により用いていた試薬がそのまま使えるものが多数あったことと、合成法の改良により薬品費が抑えられたことによる。
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次年度使用額の使用計画 |
昨年度合成した化合物について、分離精製が必要となっており、分離精製装置(HPLC)の消耗部品を新たに購入する必要がある。これに充当させる。
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