量子化学計算を用いて、金属表面、炭素繊維表面およびガラス表面とエポキシ樹脂との接着相互作用に関する分子論的な研究を行い、水素結合が接着相互作用の要因になっていることを明らかにした。とくに接着界面に存在する吸着水の影響について理論的な考察を行った。計算モデルには接着剤分子としてビスフェノールA型のエポキシ樹脂を、被着材表面として水酸化されたγ-アルミナ面および同様に水酸化された炭素表面とシリカ表面を用いた。吸着水の層の厚みは接着力に極めて重要な効果を及ぼし、とくに吸着水の層の厚みが増すと界面の接着力が急激に低下することを理論的に明らかにした。
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