キラル高分子の圧電性は実用圧電セラミックスに比べ非常に小さい.そのため,高分子独特の柔軟性や軽量性などを活かした応力・歪検出センサは実用化されなかった.しかし,我々はキラル高分子の構造に基づく圧電性発現機構の解明を通して,その圧電性の向上に努めた.それを発展させるために,圧電性キラル高分子を繊維化し,生地にし,生地全体に圧電性を発現させること(圧電ファブリック)を追求し,その可能性を見出した.その成果を基に,圧電ファブリックを洋服センサ(e-textile)に仕上げ,IoT(Internet of Things)に相応しい「身につける」から「着る」wearable センサの実現を図る.
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