研究課題/領域番号 |
15K13718
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
角田 欣一 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (30175468)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | マイクロ流路分析 / 液液光導波路 |
研究実績の概要 |
本研究では,現在急速に発展しつつある新分野であるオプトフルイディクス(Optofluidics)のための新たな光操作法の開発を目指し,キャピラリー管内の層流を利用する新たな原理に基づく以下の二種類の液液光導波路(Liquid-core/Liquid-cladding Waveguide: LLW)の構築を試みている.すなわち,1)キャピラリー管を流れる混合溶媒における壁面効果を利用したLLWの構築.(タイプ1),および2)キャピラリー管内の層流の線速度分布を利用する動的LLWの構築.(タイプ2)これらのLLWは,オプトフルイディックチップにおける光の伝達,分岐,遮断,スイッチングなどのための基礎技術を提供するとともに,様々な高感度長光路分光検出システムへの利用が期待される.本年度は,昨年に引き続き1)について実験を行ったが,残念ながら,光導波現象を観測することはできなかった.しかし,類縁の現象である,Tsukagoshiらにより見出された層流において水-親水性/疎水性有機溶媒三成分混合溶液が管径方向に分配する現象(管径方向分配現象(TRDP), Anal. Sci., 2011, 27, 793)を利用したLLWについて,さらに詳しい検討を行い,その現象の確認とキャラクタリゼーションを行った.一方,2)についても実験を試みたが,使用したポンプがうまく作動せず,評価可能な十分な実験結果を得ることができなかったので,研究期間の一年延長を申請し認められた.今後はいくつかタイプの違うダブルプランジャーポンプを用いて実験を行う予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
タイプ1)に関しては,残念ながら本年度も光導波現象によると思われる信号を得られなかった.これは実験の遅れというよりも,あるいは予想に反するネガティブな結果とも考えられる.しかし,同様の原理のTRDPに基づく光導波現象は確実に観測ができ,また,その特性を評価することができた.また,タイプ2)については,使用したポンプが期待通り作動しなかったため,新たなポンプを用い,もう一年,研究期間を延長して,さらに検討を行う予定である.
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今後の研究の推進方策 |
タイプ1)に関しては,ネガティブな結果しか得られていないため,一旦,検討を打ち切り,タイプ2)の検討に注力する予定である.タイプ2)に関しては,ダブルプランジャータイプのポンプをいくつか入手しており,それらを用いて,さらに詳しく検討を行う予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画に従い研究を遂行したが,2)キャピラリー管内の層流の線速度分布を利用する動的LLWの構築(タイプ2)の実験を行う過程で,ダブルプランジャーポンプを用いて,屈折率の異なる溶液をプラグ状に交互に導入することを意図したが,作製した実験装置では,その実験条件を満たしていないなどの状況が明らかになり,研究計画に遅延が生じた.そのため,ちがうダブルプランジャーポンプを用いるなど実験システムに必要な改良を行い,さらにデータ取得を行うための期間延長を申請したところ認められた.
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次年度使用額の使用計画 |
ポンプは最新の型よりも,むしろ古いタイプが研究目的に合っていると考えられるため,現在,研究室に存在している数種のポンプを本研究のためにすでに用意している.これらのポンプを用いて実験を再開し,必要なデータを取得する予定である.繰り越した研究基金は,そうした実験を行うための消耗品に主に使用する予定である.
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