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2015 年度 実施状況報告書

音-流れ複合場によるマイクロスフィアのサイズセンシングと反応の動的評価

研究課題

研究課題/領域番号 15K13722
研究機関東京工業大学

研究代表者

岡田 哲男  東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (20183030)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード超音波 / 粒子 / 表面反応
研究実績の概要

音と流れの複合場を用いるサイズセンシングのための材料合成について検討を進めた。主な成果は次の用に要約できる。
表面反応を起こすことによるサイズセンシングを想定しているので、表面修飾が容易でかつ大きさのそろった単分散のマイクロスフィアが必要である。市販品ではポリスチレンラテックスがこの目的に適すると判断していたが、音響物性(密度と圧縮率)にばらつきがあることが判明したため、ジビニルベンゼンとグリリシジルメタクリレートから新たな樹脂を合成することにした。多孔性のポンピングコネクターを用いてエマルジョンを作製し、その後重合することを想定し、種々の条件を最適化した結果、10μm前後で単分散のマイクロスフィアを調製することに成功した。
この粒子の密度を、ポリタングステン酸水溶液を用いる平衡密度法で計測し、その値を用いて研究代表者らが確立した超音波-重力複合場内での粒子挙動から圧縮率を決定した。密度は、1.304 g cm-3、圧縮率は2.366×10-10 Pa-1 であった。
また、合成したマイクロスフィアは表面にエポキシドが出ており、これを利用してタンパク質などを化学結合できるよう設計した。アビジンを用いて表面修飾が可能であることを確認したので、次段階として金ナノ粒子などを表面に結合させることができると考えている。
さらに、ソフトマイクロスフィアとしてアルギン酸粒子の調製を検討した。マイクロチップを用いて検討を行い、数十μm以下の液滴を作ることに成功した。液滴をある程度のかたさに変化させ、ソフトマイクロスフィアとするための条件の最適化を試みたが、成功には至らず引き続き検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

市販品では不可能な表面修飾が容易で、単分散のポリマー粒子の調整法を確立した。また、表面化学結合によるタンパク質の固定が可能であることを確認した点で、最も困難な課題の一つを克服することができており、検討を進めることが可能な状況にある。

今後の研究の推進方策

表面にタンパク質を結合できる高分子粒子の調製法を確立したので、これを用いた表面反応の評価を行うと共に、流れを利用したサイズセンシング用のマイクロスフィアの調製を行う。具体的にはアルギン酸のマイクロ粒子の調製を行い、反応によるサイズ変化を超音波により追跡する予定である。

次年度使用額が生じた理由

単分散で、表面化学修飾が可能な本研究の目的に合ったマイクロスフィアを調製することに注力したため、その後の反応に用いる生体物質や生体物質で修飾された金ナノ粒子などある程度高価な薬品類を購入して反応を検討する段階には進まなかった。しかし、想定以上のマイクロスフィアが調製できることがわかったため、次年度にこれらを購入して当初の目標を達成する予定である。

次年度使用額の使用計画

生体物質や生体物質で修飾された金ナノ粒子などある程度高価な薬品類を購入して、マイクロスフィアでの表面反応の検討を行う。

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公開日: 2017-01-06  

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