本研究では、金属電極表面に固定したチャネル蛋白の活性を迅速に測定可能となる装置の開発を目指した。 (ⅰ)膜形成法の改良:人工膜を金属電極と水溶液の界面に効率よく形成することが可能となった。電解研磨した金電極の表面を親水性高分子で修飾し、脂質溶液層を通過させるのみで安定な膜形成が見られ、チャネル形成ペプチドによる単一チャネル電流計測も可能となった。(ⅱ)チャネル蛋白組み込み: 上記電極表面にチャネル蛋白を固定し人工膜に再構成した。電極表面に脂質二重層膜が形成されるのとほぼ同時にチャネル蛋白が膜中に組み込まれた。数種のヒトチャネル蛋白の組込に成功しており、阻害剤による活性の制御も可能となった。
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