本研究では深紫外超短光パルスを光源とする多光子イオン化質量分析計を開発し、フラグメントイオンを抑制して分子イオンを効率よく観測できる新しい質量分析法について研究した。これを実現するためチタンサファイアレーザーの第三高調波(267 nm)の光パルスを圧縮する方法について検討した。その結果、希ガスを用いる自己位相変調によりレーザーパルスのスペクトル幅を拡大し、パルス幅を圧縮できることを明らかにした。また、これを多光子イオン化質量分析の光源に用いて有用性を検討した。この方法は、今後超高速現象の解明のための新しい計測手段として利用が期待される。
|