研究課題/領域番号 |
15K13730
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
分析化学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
上田 岳彦 鹿児島大学, 理工学域工学系, 准教授 (80293893)
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研究分担者 |
高梨 啓和 鹿児島大学, 理工学域工学系, 准教授 (40274740)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | イオンモビリティ / コンフォメーション / 衝突断面積 / 農薬 / 代謝産物 / 環境変化体 / CCS / PTPWs |
研究成果の概要 |
食品や医薬品、または体内や環境中の微量成分を迅速かつ的確に分析する方法の確立は、食や環境のリスクの評価や病気の診断、あるいはそれらの予防に大きく貢献するための重要な課題です。本研究は、近年急激に進歩しているイオン移動度分析法による定性的な微量分子の識別法を改良し、分子の柔らかさや形の多様性がどのように分析結果に反映されるかを理論的に導き出して実際の分析結果と比べることにより、今までは識別や定量が困難だった生体分子の異性体(構造がほぼ同じだが生理活性が異なるもの)の識別を可能にしました。非常に似通った分子でも、互いに紛れることなく、確実に一つの生理活性物質にまで識別できる新手法を開発しました。
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自由記述の分野 |
計算物理化学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
空気中を漂うウイルスや食品に含まれる残留農薬など、私たちの身の回りには様々なリスク要因があり、その存在や含有量を素早く的確に分析して明らかにする技術は大変重要です。検出したい分子だけを識別するために、その分子の重さや大きさ、あるいは性質を利用して分子を識別することに加えて、本研究では新しいデータ解析技術を導入することで、分子の形の微妙な差異を利用して、よく似た物質の中からリスクのあるものだけを検出することに成功しました。さらにこの方法は、生体内で見られるありのままの分子の動きについての情報を引き出すことができ、薬剤の作用の仕方や病原体の感染の仕方などを調べるために役立てられます。
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