本研究では、核偏極された環境感受性分子を内包できるメソ空間を利用した新しい超偏極センシングシステムの開発を目指した。メソ空間は、環境応答性蛍光色素を利用する蛍光検出システムにおいて広く使用されている。そのようなシステムを実現するために、我々はメソ空間に内包する候補となる環境応答性の超偏極分子の探索を試みた。その結果、15Nグリシン由来の有望なシグナル分子を見出した。この分子はpH変化に伴い、15N化学シフト変化を示した。さらに、超偏極寿命と相関する重要なパラメータである十分なT1値を有していた。この知見が新しい超偏極センシングシステムを開発する上で有益であると考えている。
|