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2015 年度 実施状況報告書

部位特異的に同位体修飾されたRNAのワンポット酵素合成

研究課題

研究課題/領域番号 15K13738
研究機関東京工業大学

研究代表者

清尾 康志  東京工業大学, 生命理工学研究科, 准教授 (20313356)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード同位体標識 / RNA / 光脱保護
研究実績の概要

本研究ではRNA合成酵素で目的の部位のみに同位体標識ヌクレオチドをワンポットで導入する新しい同位体標識RNAの合成法による簡便なsegment labeling法を開発し、RNAの構造生物学の進歩に貢献することを目指して研究を行う。

まずグアノシン三リン酸の6位に2-ニトロベンジル基を導入したGTP保護体を合成し、天然型DNAを鋳型として用いるT7-RNAポリメラーゼ反応を検討した、その結果、GTP保護体はこの反応の基質にはならず、光で2-ニトロベンジル基を除去した場合のみGTPとしてRNA鎖に取り込まれることが分かった。次にアベーシックサイトを含むDNAへの取込みを評価するために、ヌクレオシドの代わりに、3’-デオキシ体を用いて、酵素反応生成物のゲル電気泳動による評価を簡便化することを考えた。
3'-デオキシグアノシンを合成し、その6位を2-ニトロベンジル基で保護し、さらに5'水酸基を三リン酸化することで3'-デオキシグアノシン三リン酸保護体を合成した。合成した保護体をアベーシックサイトを含むDNAを鋳型にしたT7-RNAポリメラーゼ反応系中に加えたところ、予想に反して転写反応を阻害する効果が得られることが分かった。
そのひとつの要因として、2-ニトロベンジル基が嵩高すぎるために酵素反応の基質とならなかったと考え、より立体的に小さいウリジン三リン酸の4位を2-ニトロベンジル基で保護したウリジン保護体を設計し、合成検討を行った結果目的物を合成することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画どおり、光保護ヌクレオシド三リン酸を合成し、そのT7-RNAポリメラーゼ反応の基質としての性質を明らかにすることができた。

今後の研究の推進方策

今後はすでに合成したウリジン三リン酸保護体を合成し、T7-RNAポリメラーゼ反応を検討する。また、実際にN15で同位体標識したUTP保護体も合成しRNAの同位体ラベルを検討する。

次年度使用額が生じた理由

昨年度は化合物の合成および酵素反応の解析が予想よりも順調に進んだため、次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

生じた次年度使用額を有効に活用し研究の成果を大きくするため、合成および評価する化合物を増やした検討を行う予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016 2015

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] DNA-タンパク質相互作用の光制御をめざした光ケージされたデオキシシュードウリジンを含む核酸の合成および性質2016

    • 著者名/発表者名
      竹下玲央 大野健太郎 正木慶昭 関根光雄 清尾康志
    • 学会等名
      日本化学会第96春季年会
    • 発表場所
      同志社大学京田辺キャンパス
    • 年月日
      2016-03-27
  • [学会発表] 塩基性条件下不安定なヌクレオシド三リン酸の新規合成法の開発2016

    • 著者名/発表者名
      小田雄貴 伊藤比佑吾 金森功吏 大窪 章寛 正木慶昭 関根光雄 清尾康志
    • 学会等名
      日本化学会第96春季年会
    • 発表場所
      同志社大学京田辺キャンパス
    • 年月日
      2016-03-26
  • [学会発表] 光ケージヌクレオシド三リン酸の合成と性質2015

    • 著者名/発表者名
      大野健太郎 正木慶昭 金森功吏 関根光雄 清尾康志
    • 学会等名
      第17回日本RNA学会年会
    • 発表場所
      ホテルライフォート札幌
    • 年月日
      2015-07-15 – 2015-07-16

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公開日: 2017-01-06  

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