大腸菌の線毛を構成する蛋白質の一つであるFimGが,変性状態で自己集合し,変性蛋白質集合体を形成し,この変性蛋白質集合体が,様々な疎水性のゲスト分子を取り込むことを明らかにした.さらに,FimGが逆平行βシート構造を主構成要素とする蛋白質であることに着目し,変性FimGのβシート構造形成ドメインが,βシート構造を形成するペプチドと強く相互作用する可能性が高いことに期待して,アルツハイマー病の原因として知られるアミロイド線維形成の阻害を試みたところ,この変性蛋白質集合体の存在下でアミロイド線維の形成が阻害されることを見出した.
|