糖タンパク質を化学合成するには、糖鎖ペプチドやペプチドを固相合成により調製後Native chemical ligation(NCL)で連結する。本研究では、位置特異的、濃度可変式15N標識を含む糖タンパク質の化学合成を実施した。ハイマンノース型糖鎖、複合型糖鎖、そして糖鎖を持たないケモカインという糖タンパク質を合成し、それぞれの構造をNMRを用いて考察した。その結果、糖鎖付加はタンパク質の3次元構造には大きな変化を与えなかったが、タンパク質の運動性に影響することがわかった。 また、鶏卵から単離したヒト2分枝複合型糖鎖から天然に存在する3分枝型糖鎖2種類を僅か10工程で合成できることを示した。
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