タンパク質の結晶構造解析では、良質な結晶を得るために数百の結晶化条件検討が必要であり、これが一番のネックとなっている。私は多孔性結晶格子を作るタンパク質に着目し、そのままの結晶格子にゲストタンパク質を遺伝子工学的に融合させてその結晶構造を得るという手法の開発を行った。内径110Åのハニカム構造の結晶格子を作るR1ENを用いて、8種類のR1EN融合タンパク質を作製した。ユビキチンを融合体(R1EN-Ub)はリンカーの長さが異なるコンストラクトを複数作製し、R1EN単独と同じ条件で結晶を得ることが出来た。そのうち三つについてユビキチンの構造解析に成功し、この手法の有効性を示すことが出来た。
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