研究課題
本研究「動的ナノ空間をもつ錯体ソフトマテリアルの創成」では、①溶液状態・固体状態のどちらの状態においても安定かつ動的な内部空間を持つ「動的空間錯体分子」を合成し、②溶液プロセッシング技術を用いて固体材料(ソフトマテリアル)として成型加工することで、外場(応力)によりナノ空間特性を変化させる「錯体ソフトマテリアル」を創成することを目的としている。具体的には、相互貫入構造を持つケージ型錯体分子を有機高分子と融合し、薄膜やファイバーなどのマクロ構造体として構築することで、マクロ構造体に与える外部応力を分子構造変化へと伝搬させる。この材料は、分離膜・分子センサー・生細胞への化学刺激材料といった、外場による分子の吸着・放出制御を利用した様々な応用が可能であり、医療・環境など社会の様々なニーズと深く関わる材料となりうる。昨年度に大きく発展した課題(B):動的空間錯体分子の連結によるソフトマテリアル化に関して、さらに研究を深めた。具体的には、動的空間錯体分子になりうるMOPと呼ばれるナノ空間を有する金属錯体分子を用いて、様々なスペーサー分子と超分子重合を行うことで、新しいソフトマテリアルである多孔性コロイド粒子を得ること成功した。特に、ロジウムを中心金属に有するMOPに対し、イミダゾール基を有するスペーサー分子と当量、温度、濃度などを精密に制御することで、超分子重合度を変化させ、様々な粒子径を有する多孔性コロイド粒子の作成を行い、粒子径に依存する吸着挙動を見出した。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)
Chem
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