本研究では金属酸化物系薄膜において、アモルファス化による電子物性制御と、デバイスにおいてそれが有益に機能し得ることを実証することを目的としている。 作製法は常温、常圧、非加熱であり、ジルコニアと同様、デバイスに使えるものでなくてはならない。27年度は、ジルコニウムの同族であるハフニウムの機能化を行った。ジルコニアに続いて、ハフニアの薄膜でも、n型半導体として機能している実験結果が得られた。28年度はハフニアの性能が良好であった事をうけて、混合系を検討した。ゾル化した状態のチタニアとハフニア、ジルコニアとハフニアの混合酸化物前駆体溶液を調整し、単一系と同様に基板に塗布したのち、太陽電池素子とした。いずれの場合も、単一系よりもさらに良好な物性が得られた。この結果は、アモルファス酸化物の可能性を示すものであり、混合系における準位創出、利用がうまく機能したものと考えている。
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