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2016 年度 実績報告書

局所構造の原子核・電子密度分布―PDF-MEM解析による可視化

研究課題

研究課題/領域番号 15K13810
研究機関大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

池田 一貴  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 特別准教授 (80451615)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード局所構造解析 / 中性子全散乱 / イオン伝導 / 最大エントロピー法 / 原子核密度分布
研究実績の概要

局所構造の原子核・電子密度分布―PDF-MEM解析による可視化に関する研究を実施した。組成が同じだがLiイオン伝導特性が異なるLi7P3S11準安定結晶と(Li2S)70((P2S5)30ガラスについて室温における中性子全散乱測定を行った。構造因子S(Q)をFourier変換して得られた原子対相関関数G(r)について、光触媒酸化チタンのナノ粒子サイズを評価する手法に基づいた局所構造(Pair Distribution Function)解析結果から、準安定結晶とガラスの原子配置や原子間距離は類似しているが、Liイオン伝導特性と関連した異なる粒子サイズを得ることができた。これはガラスの構造が微結晶から構成されることを支持しており、他のガラス-結晶性物質の本質的な構造の違いや物性との相関を解明できる手法として確立できる重要な手がかりを得た。また、Li7P3S11準安定結晶の昇温過程における中性子全散乱測定も実施して、300Kから500Kに至るまでのS(Q)変化を評価したところ、温度上昇にともなってP-S間距離は変化しないがLi-S距離は長くなり、Liの化学結合性の変化とイオン伝導特性との相関を明らかにすることに成功した。これらの結果から、局所構造解析により化学結合性や原子拡散ポテンシャルを評価できる有用な情報を得られることがわかった。一方、G(r)のMEM(最大エントロピー)法における束縛関数は位相情報が失われているため収束することが難しく、目的とする原子核・電子密度分布を得ることが困難であることがわかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] 高強度全散乱装置NOVAによる結晶PDF解析2016

    • 著者名/発表者名
      池田一貴、大友季哉、大下英敏、石川喜久、本田孝志、金子直勝、瀬谷智洋、鈴谷賢太郎
    • 学会等名
      日本中性子科学会第16回年会
    • 発表場所
      名古屋大学豊田講堂(愛知県名古屋市千種区不老町)
    • 年月日
      2016-12-01 – 2016-12-02
  • [学会発表] Neutron scattering studies of aluminum-based hydrides by high intensity total diffractometer (NOVA)2016

    • 著者名/発表者名
      K. Ikeda, T. Otomo, H. Ohshita, N. Kaneko, T. Seya, F. Fujisaki, K. Suzuya
    • 学会等名
      THERMEC’2016
    • 発表場所
      Graz (Austria)
    • 年月日
      2016-05-29 – 2016-06-03
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2018-01-16  

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