貝類や甲殻類などのバイオミネラリゼーションに倣った構造材料に適用可能な炭酸カルシウム生成を目的として,貝や蟹などバイオミネラリゼーションで生成された材料の機械的特性を調べ,水垢などの石灰鱗に着想を得て,レーザによる炭酸カルシウムの生成を試みた。その結果,多くの貝殻はアラゴナイトであり,貝殻外部やホタテはカルサイトであり,アラゴナイトの降伏応力は1GPa程度,カルサイトの降伏応力は約400MPaであることを,微小押込み試験を用いた逆問題解析により明らかにした。また,炭酸水素カルシウム水溶液中に設置した試験片にレーザを照射して炭酸カルシウムを生成できることを実証した。
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