原子間力顕微鏡による振動計測法と先端増強ラマン分光法を組み合わせた新たなナノメカニカル素子の動特性評価技術を創出することを目的に、その要素課題となるラマン分光法の薄膜ナノメカニカル構造体機械特性評価への適用性に関する基礎的研究を進めた。結果として、薄膜構造体の軸方向ひずみは、従来と同様に、ラマンスペクトルピーク位置により評価可能であることを確認した。一方で、曲げ方向のひずみについては、ピーク位置による評価困難であり、ピーク半値幅による評価が有効であることを新たに見出した。素子研究開発における機能性評価や高信頼性化に資する機械特性,動特性評価技術を実現する上で、有効な知見になりえると期待される。
|