張力センサー生体分子の一つとして知られるαカテニンは、細胞間張力を感知し、それを増幅する機能を有することが知られている。本研究では、張力作用下におけるαカテニンの力学的挙動を明らかにすることを目指し、単一分子のAFMナノ引張試験を行った。その結果、張力作用によりαカテニンの立体構造が変化し、アンフォールディングしにくい状態でシグナル分子を待ち受ける適応的な張力感知メカニズムが存在することが明らかとなった。また、ビンキュリンの結合により、張力の作用下で活性化したαカテニンの構造が、力学的に強化されることが示された。以上より、αカテニンの適応的なナノ構造力学特性を明らかにすることができた。
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