| 研究課題/領域番号 |
15K13835
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| 研究機関 | 大阪大学 |
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研究代表者 |
中谷 彰宏 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50252606)
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| キーワード | トポロジカル欠陥 / ナノ構造 |
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| 研究実績の概要 |
曲面上の不連続変位で特徴づけられる高次トポロジカル欠陥の時間発展により、ナノ構造体の形態形成を取り扱う学問を構築することを目的として研究を行っている。平成27年度は、「定式化とマイクロダイナミクスシミュレーション」を実施した。具体的には、
1. 不連続変位に着目するトポロジカル欠陥の有限変形理論の定式化
連続体力学における基準配置（初期構造）から現配置（変形後の構造）への数学的な微分幾何学的構造，多様体構造を厳密に記述する有限変形理論の枠組みを基礎とするトポロジカル欠陥理論を定式化した．超弾性体に対して不連続変位をペナルティ法によって記述する定式化とシミュレーションを拡張し、非線形固有ひずみ（非線形eigenひずみ）を取り入れたいわば非線形マイクロメカニクスシミュレーション手法を確立した。
2. カーボンナノチューブ内の格子欠陥の力学解析
トポロジカル欠陥の集団挙動による形態形成について基礎的な知見を得るためのナノ構造材料の計算機実験として，パイエルス・ナバローモデルを用いてカーボンナノチューブ内の5-7欠陥対の力学問題を解いた。具体的には欠陥に働くPeach-Koehler力と局所安定配置のエネルギーを評価した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究の過程で当初計画では想定しなかった定式化を着想した。具体的には非線形マイクロメカニクスシミュレーション手法により格子欠陥近傍の力学問題を解くための手法を新たに定式化し、具体的な物理モデルにより実用性し示した。また今年度は関連する研究内容を英文学術論文2報、国際会議発表11件、国内学会発表18件など公表した。
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| 今後の研究の推進方策 |
(1) トポロジカル欠陥の安定性と等価原理の確立
キンク変形の格子欠陥モデルによる解析において、転位列と回位の双極子の長距離弾性場の等価性について力学モデルを用いて解析的に検証に成功している。本研究課題では応力場の遮閉と数値計算による漸近解析により等価モデルの構築の方法論を一般化する。転位の分布と結晶粒界の等価性はその一例である。格子欠陥の高密度化による安定化について、重ねあわせの原理が成り立つ微小変形論に基づく連続体モデルでは表現できない近距離場について原子モデルを用いて研究を行い、非線形理論に基づく等価原理を確立する。
(2) カーボンナノチューブの5-7 欠陥の分子動力学解析
具体的に、Stone-Wales 欠陥からの5-7 欠陥対の生成と運動の分子動力学シミュレーション行う。トポロジカル欠陥の局所安定構造解析を行った後、トポロジカル欠陥の局所安定状態から別の安定状態への遷移をシミュレーションで検証するために、NEB 法(Nuddged Elastic Band 法) およびメタダイナミクス法を用いて局所安定構造間の鞍点解析と最小エネルギー経路の探索を行う。シミュレーション結果に基づき、変形のプロセスにおいてトポロジカル欠陥のダイナミックス（生成・消滅・運動）を設計する輸送現象学を定式化する。さらに安定性解析の結果から温度変化に対するトポロジカル欠陥構造の状態遷移の動力学理論を定式化する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
予定通り、トポロジカル欠陥の安定性と等価原理の確立とカーボンナノチューブの5-7 欠陥の分子動力学解析を行う。
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| 次年度使用額の使用計画 |
H28年度は、それぞれの研究結果は、日本機械学会計算力学講演会、日本機械学会M&M材料カンファレンス、The 24th InternationalCongress of Theoretical and Applied Mechincs (ICTAM2016)での研究発表を予定している。
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