研究課題/領域番号 |
15K13841
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 哲 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (30283724)
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研究分担者 |
高増 潔 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70154896)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ナノ欠陥 / ナノ計測 / 光計測 / シリコンウエハ基板 / ナノ異物 / 欠陥検査 |
研究実績の概要 |
従来半導体プロセスにおいて現場適用されていた光学的計測法原理では物理的検出限界となっていた超平滑加工表面のナノ付着異物計測法について新概念手法を開発する.具体的には,基板上に滴下した揮発性不活性溶媒の液相界面とナノ異物との近接場における力学的・光学的相互作用を,並列情報処理性,現場適用性の高い遠隔場光学技術で取得することで,非破壊性,高速性を維持したまま,従来異物サイズ検出限界を大幅に向上可能な新概念近接場計測プローブ法の開発を目指した.FDTD法を用いた近接場電磁場解析により,提案手法を適用することで,50nm異物検出時に約6倍の感度向上が期待されることが分かった.さらに,従来手法では検出が不可能だった10nm異物においても,約1.1%の光量変動をモニタリングできれば,スポット走査を要さず,一括計測が可能であることを明らかにした.また,パーフルオロカーボンを揮発性不活性溶媒プローブとして適用して,実際にベアシリコンウエハ上の標準粒子からの応答を観察し,上述のFDTD法を用いた近接場電磁場解析の妥当性を確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
FDTD法を用いた近接場電磁場解析により,提案手法を適用することで,50nm異物検出時に約6倍の感度向上が期待されることを示した.さらに,従来手法では検出が不可能だった10nm異物においても,約1.1%の光量変動をモニタリングできれば,スポット走査を要さず,一括計測が可能であることを明らかにした.
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今後の研究の推進方策 |
理論的観点より,提案手法の有効性を定量的に検証できたため,実験的に,感度向上を実証する.厳密な実証のため,電子顕微鏡座標系との自動位置同定法の確立,およびカーボンコンタミネーション汚染による計測擾乱が最小限に抑えた計測評価法の確立を進め,単粒子異物に対する提案光学応答の取得を目指す.
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究におけるナノ異物計測法の厳密な実証のためには,他観察法による妥当性確認が望ましい.基礎実験により基本的な有効性検証は実現できたが,本申請研究有効性の評価をより精緻に達成するために,電子顕微鏡による単粒子同定をより厳密に実施することが望ましいことから次年度使用額を計上した.
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次年度使用額の使用計画 |
電子顕微鏡による厳密な単粒子同定を実現するために,複数座標系からの自動位置同定法の確立,およびカーボンコンタミネーション汚染による計測擾乱が最小限に抑えた計測評価法の実現を目指す.
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