放電加工では加工屑の排出や冷却のために工具電極の回転が効果的である。しかし、従来のRC放電回路ではブラシを用いて給電するため、高速回転が困難である。一方、筆者らが開発した静電誘導給電は、給電電極と回転軸との隙間に形成される静電容量を介してパルス電圧を印加するので、非接触給電が可能である。しかし、隙間の容量は小さいので、十分大きな放電エネルギーが得られない。そこで、高周波放電の持続時間の制御によって、一回の放電エネルギーの増大とその制御を可能にした。さらに、放電周波数を放電回路の共振周波数と整合させることにより、放電エネルギーを最大化し、仕上加工から荒加工までの高速回転加工が可能になった。
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