自動車のディスクブレーキパッドは,走行中もブレーキディスクと僅かに接触していて,これが引き摺り抵抗となっている.中央のスリット部に45° のスリットを加えた改良ブレーキパッドを開発した.市販ブレーキパッドと改良ブレーキパッドを厳しい摩擦条件で摩耗させた後,周速38 km/hで回転する鋳鉄製ディスクに近づけた時の垂直方向押し付け力と,接線方向の摩擦力を測定した.市販ブレーキパッドでは,引き込まれる力が発生した.改良ブレーキパッドでは垂直力は常にプラスであり,部分的な接触が始まる距離15 μmまでは接線力は0である.このパッドを使うことで燃費は2.5 %改善することが期待できる.
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