風力発電は10年で10倍の爆発的成長期にある.従来,経験しなかった問題が急増した.風車出力が期待値を下回る問題,突風や乱流によるブレード破壊や崩落事故,さらには住民からの騒音苦情である.いずれも流体の圧力場が支配する現象に他ならない.一方,PIV(粒子画像流速測定法)は完成域に入り実験流体力学を大きく変えた.しかし風車設計に直接的な貢献を果たしていない.PIVそれ自体は流速計測法であり,力・トルク・音の次元を与える圧力の空間分布の計測に課題があるためである.本課題では自由空間圧力分布を測定可能な実用的な推定ツールを完成させ,風車開発の試行錯誤ピッチを上げることに成功した.
|