研究課題/領域番号 |
15K13865
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高木 周 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (30272371)
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研究分担者 |
杵淵 郁也 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (30456165)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 混相流 / マイクロバブル / ドラッグデリバリーシステム / 超音波 / ビヤクネス力 / 脂質膜 / ベシクル / 膜破壊 |
研究実績の概要 |
液体中に存在する微細な気泡(マイクロバブル)は、超音波血管造影剤としての医療応用技術から水処理技術まで幅広い応用がある。本研究では、著者らがこれまで開発を進めて来たマイクロバブル内包ベシクルを集束超音波を用いて捕獲し、目的部位まで移動させ、破壊する技術を確立することを目的としている。本研究課題で開発される手法により、薬剤をはじめとする化学物質を、脂質分子膜を有するベシクル(リポソーム)内に気泡とともに封入し、遠方から照射する超音波で、ベシクルの挙動を制御することが可能となり、マイクロバブルドラッグデリバリーシステムやマイクロTASの分野など様々な用途への応用が期待できる。 最終年度である平成28年度は、マイクロバブル内包ベシクルの生成法に関して,これまで行ってきた静置水和法による方法に加え、収率を上げるために、新しく油水界面通過法を導入した。油水界面通過法では,リン脂質を溶解させたミネラルオイルとグルコース水溶液で容器内に油水界面を形成させる.この油水界面にはリン脂質が吸着し,単分子膜が形成されることになる.これに対し,超音波血管造影マイクロバブルであるSonazoidを多数含んだリン脂質溶解ミネラルオイルを用いて油中水滴を形成し,その水滴の自重落下を持ちいて,マイクロバブル内包ベシクルの生成を行った.この手法により,従来の静置水和法による手法に比べ,格段に効率よくマイクロバブル内包ベシクルを生成することに成功した.さらにここで生成されたマイクロバブル内包ベシクルを、流路内に導入し、超音波音場にて,捕捉,破壊することための実験を実施した. また、実験に対応するシミュレーションモデルを構築し、超音波音場により、マイクロバブル内包ベシクルの位置制御を行い、ベシクル膜の破壊を効率よく行うための手法の検討を行った。
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