本研究は、微生物から構成されるバイオフィルムによる流動抵抗低減を研究目的としている。バイオフィルムの流動抵抗低減効果を円管内流れの圧力損失と流量の計測により明らかにする。その際、バイオフィルムの形成促進のための生物学的手法に加えて、バイオフィルムの表面粗さと粘弾性の流体力学的評価を行うことで、抵抗低減壁面としてのバイオフィルムの可能性を吟味し、その高機能化に取り組む。さらに、リブレット(微細な縦溝構造)の知見を応用した「バイオフィルムリブレット」を創成する。平成27年度においては、バイオフィルムの生物学的アプローチとして、培養液およびバイオフィルムの形成に関するデータベースを構築し、最適環境を精査することで、バイオフィルム形成に関する独自のノウハウの習得を試みた。また、バイオフィルムの流体力学的アプローチとして、バイオフィルムの凹凸形状を観察可能なシステムの構築を進めている。
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