研究課題/領域番号 |
15K13875
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
須藤 誠一 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (90006198)
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研究分担者 |
矢野 哲也 弘前大学, 理工学研究科, 准教授 (70404853)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | マイクロ流動 / 霧化過程 / 微小界面振動 / 磁性流体 / アコーステックストリーミング / 振動磁場分布 / SAWデバイス / 表面毛細波 |
研究実績の概要 |
平成29年度は、当該研究課題の遂行によって得られた成果に基づいて、ナノ・マイクロ流動のワイヤレス制御の開発を目的として、微小な永久磁石と磁性流体から構成されるデバイス要素の特性を調べ、また、MHzオーダーの高周波で駆動するSAW(表面弾性波)デバイスを作成し、SAWを利用してマイクロ液滴の表面に毛細表面波動を誘起し、毛細波の生成過程および液体表面崩壊のメカニズムを調べ、以下のような成果を得た。 針状の2本の微小永久磁石間に磁性流体の液橋(液体の体積はマイクロリットルオーダー)を形成し、外部から比較的弱い交流磁場(数ミリテスラ以下)を印加することによって比較的高周波数で応答する液体振動を非接触で生成できることを検証し、続いて、磁石ー磁性流体素子の周りの磁場分布を精密に測定することによって、永久磁石の磁場方向と外部磁場の方向が対抗する時に液橋の中心部が細くなり、外部磁場の方向が並行な場合に液橋が太くなると液橋振動と磁場の関係を定量的に明らかにした。また、外部磁場の方向の効果についても明らかにした。さらに、液橋が崩壊する条件や液面崩壊過程についても詳細に明らかにし、磁石―磁性流体素子で構成されるデバイスの特性を求めた。 次に、3.17MHzの周波数で駆動するSAWデバイスを製作し、マイクロ液滴をMHzの高周波数で加振し、マイクロ液滴の液体自由表面に発生する毛細波動、液体表面の崩壊、液面からの超微細な液滴の放出、霧状微粒化などを高精密時間分解能で解析し、表面毛細波が生成する過程での液滴の高さ上昇が、縦波放射による過渡的な圧力によるものであること、その後の液滴伸長がSAWによって液滴内に生成されたマイクロ流動によることなどを明らかにした。
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