リチウム空気電池は単位重量・単位体積当たりの理論エネルギー密度が最も高い二次電池であるが,現状では本来の電池出力が発揮されていない.これは空気極内への酸素供給量(酸素フラックス)が不足していることに起因しているためであり,本研究では電解液中の溶存酸素濃度を制御し,リチウム空気電池の高出力化を目指した.実験ではナノ・マイクロバブル型酸素溶解装置を用いて電解液内の溶存酸素濃度を6.5~15.0mg/Lの範囲で制御し,電池性能を調べた.その結果,酸素濃度を増加によって電池性能は向上するものの,さらなる高性能化のためには電極内に電解液を流す等,より能動的な酸素供給が必要であることを示した.
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