水蒸気を熱分解して生じた水素取り出すために,ピストン断熱圧縮・膨張を用いる条件を理論的に検討し,それを実現する手法・装置についても検討した.分解温度として3000Kを想定すると,昇温条件としては先ず1000K程度までの予熱を行い,その後に断熱圧縮すること,また被圧縮気体として水蒸気を,比熱比の高い単原子気体に大希釈することで,圧縮比10程度の現実的な圧縮で可能となることが判った.膨張冷却時の組成変化につき詳細反応機構を用いた化学動力学計算によって検討すると,800K以下への急速な冷却によって水素を残留させることが可能であるとの結果を得た.
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