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2015 年度 実施状況報告書

新しい高感度汎用分光法を活用した自着火現象の解析手法の開拓

研究課題

研究課題/領域番号 15K13885
研究機関豊橋技術科学大学

研究代表者

小口 達夫  豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90324491)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード燃焼工学 / 自着火 / 過渡吸収法
研究実績の概要

大容量かつ大口径の観測窓を備えた独自の急速圧縮機に対し,非コヒーレント光共振器拡張吸収法を適用し,紫外から近赤外域にいたる広範囲の空間・時間分解スペクトルおよび過渡吸収プロファイルを観測する技術を確立することを目的として,研究を行った.当年度は,光学系の基本設計と試験を行った.設計に関しては,当初より感度限界が厳しいと予想される紫外域をターゲットとするため合成石英材を利用し,複数光学軸により二次元的な同時計測が行える光学系を目指した.計測セル(反応セル)に関しては,高温高圧の環境に耐える光学系の構築を行う必要があるので,キャビティミラーを複数箇所取り付けることができる構造にし,光学軸を複数備えるものとした.光源としては高輝度白色点光源を採用し,通常の光源では強度が落ち込みやすい短波長域での相対強度を確保した.射出された光はレンズにより一旦平行光にしたのち再び集光されキャビティ内に入る.キャビティは複数用意されそれぞれの軸上で試料気体に吸収される.キャビティを通過した光は再び集光され,それぞれの光学軸ごとに分光器に入射される.分光器の波長分解能と感度は相対する関係にあり,また入射光のバンド強度分布が相対感度に大きく影響するため,市販の簡易型分光器では不十分であった.従って本研究では,短波長域の感度比が高く時間分解能が十分高いセンサーを採用するよう光学系の設計を変更した.今後この技術により,従来は難しかった微量成分の過渡吸収分光を行い,未知中間体の検出に取り組む.本測定方法の応用として,芳香族炭化水素類の自着火反応に関する計測を行い,知見を得た.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初計画に従い,本研究に必要な設計・製作は概ね順調に進めているが,当初予定していた光学系では相対感度が不十分であり,設計製作に追加が必要となった.また,適用する本体装置における動作不良等の解決に時間が掛かり,予定していた性能試験がまだ十分に行えていない.しかし,本質的な問題は解決しており,今後の計画推進には支障がないと考えている.また,ターゲットとなる炭化水素類の自着火現象の計測試験は順調に進んでいる.従って,概ね順調に進展しているとした.

今後の研究の推進方策

設計しなおした光学系の性能試験を早急に進め,本来の測定ができる状態にする.現状の設計ではラジカル検出に最適な250-300nm 近傍をターゲットに,非キャビティ型吸収法に対して50倍程度の感度向上が期待できる.そのため,炭化水素類の自着火前反応における反応中間体の検出に注力して研究を推進する予定である.

次年度使用額が生じた理由

当初予定していた金額より安価な器材を入手することができた分を,光学系の設計変更により更なる感度向上のための器材調達に向けることとした結果,予定より支出額が少なくなった.また,流体反応解析用ソフトウエアのライセンス契約に仕様変更があり,結果的に,使用額に差が生じた.一方,本計測を行うにあたりターゲットとする炭化水素類の試料生成用タンク等を新たに調達する必要があると判明したが,それらについては次年度に製作することとした.

次年度使用額の使用計画

多チャンネル化へ向けてより高性能のセンサー・分光器を追加し,当初計画より高精度な同時計測が可能となるようにする.また,試料生成タンクを新たに調達し,効率良く計測が行えるようにする.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Oxidation of methyl-substituted benzenes: the effect for auto-ignition of heptane2016

    • 著者名/発表者名
      K. Ono, M. Saito, T. Oguchi
    • 学会等名
      32th Symposium on Chemical Kinetics and Dynamics
    • 発表場所
      Omiya, Japan
    • 年月日
      2016-06-01 – 2016-06-03
    • 国際学会

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公開日: 2017-01-06  

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