大容量かつ大口径の観測窓を備えた独自の急速圧縮機に対し,非コヒーレント光共振器拡張吸収法を適用し,紫外から近赤外にいたる広範囲の空間・時間分解スペクトルおよび過渡吸収プロファイルの取得技術を確立することを目的として研究を行った.本システムは,主として紫外ならびに可視光域をターゲットとして,キャビティミラーを利用した光学系を構築し,高感度で微量成分を検出するシステムの構築を目的とした.当年度は,前年度に引き続き,光学系の構築と調整を行うと共に,反応器内空間分布に対する基礎的な知見を得る目的で,本システムで用いている高輝度非コヒーレント白色光源を活用した平行光学系を新たに構築し,反応セル内の流動分布の計測を行った.その結果,反応セル内における空間分布の概要が明らかになった.そこで,反応器自身の機械設計についても見直しを行い改良を行った結果,急速圧縮後の推定到達温度が従来より50℃程度上昇し,若干ではあるが,理想的な状況へ近づけることができた.
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