研究課題
スイッチドリラクタンスモータの騒音の低減は数十年来研究されているが、効果が限定的な手法ばかりで有り、根本的に騒音を低減する手法は確立していない。多くの場合、吸音材等を配置して騒音を低減することが多い。このような状況下で、3年前、我々は世界に先駆けてスイッチドリラクタンスモータの騒音低減方法を発見した。その方法は隣り合う3相の固定子歯にかかる力の和をフラットにする方法である。発想は単純であり、歯の根元が強固であれば振動騒音は低下する。実際、48/36極のSRモータに適用した結果、大きく振動騒音が低減することを明らかにした。しかし、ハイブリッド自動車用では、18/12極のSRモータが採用されており、この極数への適用が課題であった。従来の方法を適用するとともに、従来、0から3次までで電流指令値を生成していたが、4次とその位相を取り入れることにより、騒音の低減とともに、電流実効値を低減し、効率を向上する方法を明らかにした。すなわち、0から4次までの電流の振幅、位相の8自由度を活用し、最も電流実効値が低く、力の和の脈動制限値、トルクの和の脈動制限値をしたまわる解を数値的に導出する方法を明らかにした。その際、特に力の和の6次成分が顕著になること、力のフラット化とトルクのフラット化も検討し、実現するための新しい電流波形を提案した。また、この研究の元となった発見を発展した論文が世界で最も難関とされるIEEE PES Transaction on Energy Conversion の2017年第2位論文賞を受賞が決まった。毎年300件近い一流国際ジャーナル論文の中から選出された。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)
Proceeding of International Electric Machines and Drives Coference #321
巻: 1 ページ: pp.1-6
Proceedings of EVTEC 20169097, Society of Automotive Engineers of Japan 2016
巻: 1 ページ: 1-6
Proceeding of International Conference of Electric Machines, IEEE 978-1-5090-2537-4/16 2016
巻: 1 ページ: pp.1300-1306