生物皮下組織への薬液投与や遺伝子導入など,細胞膜を介した薬液導入技術の研究開発が進んでいる。本研究では同軸2重円筒構造のブルームライン線路を使用してピーク電圧10 kV,半値幅8 nsのナノパルス電圧を発生させ,20 kV/cm以上の電界による細胞壁穿孔と薬液導入研究を実施した。大腸菌(ATCC25922)懸濁液にヨウ化プロピジウムおよび蛍光色素SYTO9を加えて,ナノ秒パルス電圧を印加した。ナノ秒パルス電界は大腸菌の生残率100%の状態で薬液導入を可能にし,周波数条件,印加電圧時間を制御することで,薬液導入率40%以上を達成可能であることを示した。
|