前年度に引き続き、位置と力のバイラテラル(マスター・スレイブ)制御システムの高性能化を進めた。周波数特性を向上させるには、ソレノイドの摩擦係数が一番効いていることが分かったので、その改善を行った。 複数台のアクチュエータの振る舞いに関しては、2次元的に隣り合うアクチュエータに仮想的なばねがある場合を想定して、理論解析を行った。形としては、波動方程式が求まった。さらに、5×5でシミュレーションを行い、波の伝搬などを確認した。 次に、2次元アクチュエータの1次実験器を製作したが、サイズが大きくなり、2次元ハプティクス機器としてはさらなる小型化が求められるとの結論なった。 そこで、昨年度後半から準備を進めていた小型リニアアクチュエータの研究も並行して進めた。幅4mm、横4mmで高さ28㎜の2固定子1移動子型のリニアアクチュエータを試作した。1mmのストロークを通して約50mNの力を実測した。 2年間の成果をまとめると、以下になる。(1)表面感触提示器の基本構成要素となる1次元アクチュエータのセンサレス化に取り組むとともに、回路改善や周波数フィルタ導入による推定の高速化を行った。(2)この要素アクチュエータを2つ用いて、位置と力のバイラテラル(マスター・スレイブ)制御システムを構築した。(3)複数台のアクチュエータの振る舞いに関して理論解析を行った。(4)2次元アクチュエータの実験器を製作したが、サイズが大きくなった。(5)幅4mm、横4mmで高さ28㎜、推力約50mNの2固定子1移動子型のリニアアクチュエータを試作した。
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