磁気支持剛性が極めて低い永久磁石反発型磁気浮上装置を開発するために,リング状永久磁石が浮遊する空間の磁場分布を理論解析した。浮上磁石を含む3個のリング状ネオジム磁石を組合せることで,磁気支持剛性が非常に小さく(約19.6 N/m),かつ水平軸回りの回転力が受動安定となる永久磁石の配置構成を導出した。この配置を維持しながら,4つの空芯コイル,磁場変化検出用センサ,周辺制御装置を設置し,プロトタイプ装置を製作した。浮上磁石の水平方向の並進運動にPID制御を施すことで,浮上磁石を非接触で安定浮上させることに成功した。このプロトタイプ装置を用いて微小質量測定を実施し,最小分解能0.3gを実現した。
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