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2017 年度 実績報告書

商用周波数で磁気共鳴させた鉄筋コンクリート越しのワイヤレス給電

研究課題

研究課題/領域番号 15K13934
研究機関富山高等専門学校

研究代表者

古川 裕人  富山高等専門学校, 電気制御システム工学科, 准教授 (30238670)

研究分担者 石田 弘樹  岡山理科大学, 理学部, 准教授 (50413761)
経田 僚昭  富山高等専門学校, 商船学科, 准教授 (50579729)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードワイヤレス給電 / 超低周波
研究実績の概要

研究期間の最終年度である今年度は、研究の最終目標である伝送空間に鉄骨などの金属物体がある場合でのワイヤレス給電に関してシミュレーションおよび実験の両面からアプローチした。尚、誘電体に関しては、前年度までに電力損失がほとんど発生しないことが明らかになったため、本年度は損失要因である金属体のみについて検討を行った。研究当初は、鉄骨のようにスリットや格子状の隙間がある物体越しでしか電力伝送できないと考えていたが、シミュレーションを進めていく中で最適な周波数と最適なコイル形状が実現すれば、隙間の全くない金属板越しにも電力伝送できる可能性が明らかになった。
本研究期間の前半において開発した超低周波ワイヤレス給電のためのシミュレーターを使い、ステンレス板越しのワイヤレス給電を実現するための周波数とコイル形状を明らかにした。その結果、400Hz付近の低周波が最も高効率かつ大電力で電力伝送できることがわかった。また、伝送性能を保持したまま、コイル形状の最適化のみでコイルの重量を2.9kgから1.5kgまで軽量化できることもわかった。これらのシミュレーション結果に基づき実機を設計、製作し、検証実験を行ったところ、ほぼ設計通りの伝送効率と伝送電力を実現することに成功した。例えば、1mm厚のステンレス板であれば、300Wを越える電力を80%を越える効率で伝送できた。これらの性能は、過去の報告例と比較すると格段に高い。この性能は、研究当初の目標を十分に達成している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Super-low-frequency wireless power transfer with lightweight coils for passing through a stainless steel plate2018

    • 著者名/発表者名
      H. Ishida, T. Kyoden, and H. Furukawa
    • 雑誌名

      Review of Scientific Instruments

      巻: 89 ページ: 034706 (1)-(11)

    • DOI

      10.1063/1.5010855

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Development of a wireless power transmission simulator based on finite-difference time-domain using graphics accelerators2017

    • 著者名/発表者名
      H. Ishida, H. Furukawa, T. Kyoden, and T. Tanaka
    • 雑誌名

      IET Power Electronics

      巻: 10 ページ: 1889-1895

    • DOI

      10.1049/iet-pel.2017.0263

    • 査読あり
  • [学会発表] 低周波を用いた金属板越しの非接触給電2018

    • 著者名/発表者名
      石田弘樹、古川裕人、経田僚昭
    • 学会等名
      平成29年度 電気学会全国大会
  • [学会発表] 超低周波ワイヤレス給電装置のシミュレーション2017

    • 著者名/発表者名
      田中貴大、石田弘樹、古川裕人、経田僚昭
    • 学会等名
      第68回電気・情報関連学会中国支部連合大会

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公開日: 2018-12-17  

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