研究課題
本研究の目的は、酸化亜鉛や窒化ガリウムのナノワイヤに比べ10倍以上大きな圧電性を示すチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)ナノワイヤを、テーラード基板を用いて狙った特定の場所にピンポイントで成長させる手法を開発することである。「トレンチ及びPZTナノ島を有するテーラード基板の作製」について、昨年度までに、ガス透過性PDMSモールドを用いたソフトリソグラフィー法により、500 nm幅及び間隔のナノ島構造の作製に成功していたが、モールドと基板との間に残る膜(残膜)が厚く、焼成時にクラックが生じる問題があった。そのため、今年度は、溶液濃度、溶液の塗布方法、モールド押下時の圧力分布の最適化を行うことで、残膜が薄くクラックが抑制されたテンプレート基板の作製に成功した。さらに、圧電応答顕微鏡を用いて、作製したPZTナノ島テンプレート基板の圧電応答を確認した。また、「PZTナノワイヤのピンポイント成長」および「PZTナノワイヤの断面形状・直径の精密制御」について、ナノ島構造を有する基板上に下部電極SrRuO3を成膜し、その上にPZTを堆積した結果、ナノ島と同じ形状でPZTがギャップを持って成長することがわかった。このことから、ナノ島の形状とナノ島間の間隔を制御することでナノワイヤの形状と直径が制御できる可能性が示された。また、エッチングによりギャップを広げることでも、ナノワイヤの直径が制御できる可能性が示された。
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件)
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