研究課題/領域番号 |
15K13956
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
北田 貴弘 徳島大学, 大学院理工学研究部(連携), 特任教授 (90283738)
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研究分担者 |
井須 俊郎 徳島大学, 大学院ソシオテクノサイエンス研究部, 特任教授 (00379546) [辞退]
熊谷 直人 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 電子光技術研究部門, 主任研究員 (40732152)
盧 翔孟 徳島大学, 大学院理工学研究部(連携), 特任助教 (80708800)
南 康夫 徳島大学, 大学院理工学研究部(連携), 特任准教授 (60578368)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 電子・電気材料 / 薄膜・量子構造 / 半導体非線形光学材料 / 微小光共振器 / テラヘルツ波発生 |
研究実績の概要 |
高指数面GaAs基板上で副格子の配列を交換してエピタキシャル成長する技術を確立し、2つのモード光によるテラヘルツ帯差周波発生を高効率化する分極反転型の半導体多層膜結合共振器の作製技術に応用することを目的として以下の内容に取り組んだ。 副格子交換を実現するIV族元素として高純度Ge材料を前年度にインストールした固体ソース分子線エピタキシー成長装置を用いて、(113)B GaAs基板上にGaAs/Ge/GaAs構造を成長した。反射高速電子線回折(RHEED)によるその場観察、および成長後の異方性エッチャントによるメサパターン加工と走査電子顕微鏡(SEM)による断面形状観察から、5 nm程度のGe層導入により副格子交換が実現できることがわかった。さらに、透過電子顕微鏡(TEM)及び走査型透過電子顕微鏡(STEM)によるヘテロ構造断面の微視的観察を実施したところ、欠陥のない高品質なヘテロ薄膜が形成されていることが確認できた。Ge層上下での副格子配列交換は、STEM観察時の特性X線検出による高空間分解能元素分析(EDX)マップからも確認できた。 2つの共振器を結合するブラッグ反射多層膜の中央にGe層を導入したGaAs/AlAs結合共振器を(113)B GaAs基板上に成長した。試料の断面SEM観察から、Ge層により副格子交換した後も良好な界面をもつGaAs/AlAs多層膜が形成されていることが確認できた。試料の光学反射スペクトルを計測すると、ストップバンド中央にシャープな2つの共振器モードが明瞭に観測された。当初計画で予定していたパルスレーザ光照射によるテラヘルツ帯差周波発生の検証にまでは至っていないが、テラヘルツ波発生素子に適した半導体多層膜結合共振器を実現するブレークスルー的な薄膜形成技術が確立できたと考えている。
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備考 |
2017年度 第64回応用物理学会春季学術講演会にて発表した"(113)B GaAs基板上の副格子交換によるGaAs/AlAs多層膜結合共振器"は注目講演の1つに選定された。
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